【中・上級者向け】英語力の向上に必要な”言語処理速度”について

2024年9月29日

【中・上級者向け】英語力の向上に必要な”言語処理速度”について

さて、今日は“言語処理速度”についてです。

「・・・・?!」(何のことか分からない・・・)という声が既に多く聞こえてきているような気がするので、1つ質問を。

英語学習者の皆さんはこんな課題感をお持ちだったりしませんか?

  • リーディングで読むのが単純に遅い・・
  • リスニングの際、全体的に大体音は取れているのに(何を発音されているかはおおよそ分かる)スピードに置いていかれる感覚がよくあり、意味が頭に残らない・・

このような課題感をお持ちの場合は、上述の“処理速度が足りていない”可能性があります。

結論から言うと、先ほどから何度も出てきている“処理速度”というのは主に「リーディング・リスニング」の受容スキル(Receptive Skills)のクオリティーに大きく影響する要素となりますので、超重要なコンセプトです。

というわけで、この記事では、

  • 処理速度の向上が何故「読む・聴く」に重要なのか?
  • あなたの処理速度を簡単チェック!
  • 処理速度向上の為のトレーニングサンプルは?

というようなお品書きでつらつら書いていこうと思います。

言語処理速度とは何か?

さて、まずは言語処理速度とは何ぞや!という話から。

これは簡単に言うと、英文を目で見たり、耳で聴いたりする際に
どれだけ早い速度で文章を理解していけるかということになります。

例えば、下記の英文を聞いてみてください。(ダウンロード面倒かと思いますが。。汗)

https://note.com/api/v2/attachments/download/220bf7a74819e7b938676ea0f2542c14

皆さん、どれくらい聴きとれたでしょうか。

完璧に聴きとれた人がいたとしたら、もうこの記事は読まなくてOKです。(笑)

恐らく、聴きとれても5~8割くらいの方が多いのでないかと思います。

さて、音声のスクリプトは下記になります。

How Tech Changes Our Lives

Tech like phones and computers has changed how we live a lot. We can talk to people far away very fast and find things we want to know by just touching a screen.

But there are also some problems. One problem is that we may not talk to people around us as much because we are too busy looking at our screens. Another problem is about keeping our private stuff safe. With a lot of data online, there is a risk someone might use it in a bad way.

Also, using tech too much can make our eyes tired and make it hard to focus. But tech also helps in making us healthy. For example, it makes it easy for doctors to find out what is wrong with us and how to make us better.

In the end, tech makes life easy in many ways, but it also brings new problems. We have to be careful how we use it to make sure we only get the good parts, not the bad parts.

この英文はあえて、難しい語彙や言い回しを使用せずに作りましたが、目で追えば大して難しい英文・内容ではないことも分かるかと思います。

ということから、

・単語が全部分かっても
・文法が理解できても
・音(音声変化含む)が正確に聴こえていたとしても

まだ英文を理解するのが難しい・・という状態があることが分かります。

だからこそ、特に早いスピードのリスニングにおいて、
読むことよりも聴くことの方が難しいと感じられる1つの理由が処理速度不足(早い速度で英文を前から順番に処理・理解していくこと)の可能性がある!ということが何となく理解できたかと思います。

あなたの処理速度(WPM)をチェック!

前章では、処理速度がリーディング・リスニングに重要な理由について分かって頂けたかと思います。

というわけで、簡易的な方法ですがあなたの処理速度を測定してみましょう!

下記英文を意味が8~9割以上理解できる(それ以下になるとそもそも読解している状態にすらいないので注意)ような自分のスピードで黙読してみてください。そして黙読を開始する際は、タイマーで読解に掛かった時間を測ってみてください。(あくまでもセルフチェックなので、変に背伸びせず自分の実力を出来るだけ正確に測定してみましょう)

ではタイマーの準備はよろしいでしょうか!

行ってみましょう!(私もやってみます)

How Tech Changes Our Lives

Tech like phones and computers has changed how we live a lot. We can talk to people far away very fast and find things we want to know by just touching a screen.

But there are also some problems. One problem is that we may not talk to people around us as much because we are too busy looking at our screens. Another problem is about keeping our private stuff safe. With a lot of data online, there is a risk someone might use it in a bad way.

Also, using tech too much can make our eyes tired and make it hard to focus. But tech also helps in making us healthy. For example, it makes it easy for doctors to find out what is wrong with us and how to make us better.

In the end, tech makes life easy in many ways, but it also brings new problems. We have to be careful how we use it to make sure we only get the good parts, not the bad parts.

さて、何秒掛かりましたか?(英文はかなり簡単な内容でしたよね)

私は33秒でした。(多分かなり早いです)

WPM(Words per minutes)の計算について

さて、あなたの処理速度を数値化してみましょう。

WPMという素晴らしい指標がありますのでそれを使用します!

Words per minutes(1分間の語数)という意味になりますが、
今回に関しては、「あなたが1分間で何語処理(読解)出来るか」ということを示す指標として利用します。

計算方法は以下です。

「エッセイ語数 / 掛かった時間 × 60秒」 

今回のエッセイ語数は178語でしたので、

私の場合は

178 words  / 33 sec × 60 

WPM 323

という結果になりました。

皆さんのWPMはいくつでしたでしょうか。

200以上!という方もいれば、200以下という人もいるかと思いますが、
あくまでも今回に関しては上記の比較的簡単な内容の英文処理における数値ということでご理解ください。

あなたのWPMと音声の速度を比較してみよう

さて、あなたのWPM数値も分かったところで、次に行きます。

先ほど最初に聞いていただいた音声を思い出して欲しいのですが、かなり早かったと思いませんか?(早くないと思えた人は素晴らしいです!)

あの音声、実は47秒で読まれていましたので、
あの音声スピードに完璧についていく為に必要なWPM数値が計算できます。

178 words / 47sec × 60 = WPM 227 

という数値が出ました。

つまり、先ほどの音声スピードについて行けなかった!と感じた方のWPM数値は恐らくですが、227以下だったのではないかと推測できるわけです。

逆に、あのスピードについていく為にはWPM 227以上が必要だったわけですから、それ以上の数値が出た人には拍手です!!👏

音源の速度で読めない→リスニングの際に速度で置いていかれることがある

というわけで、リーディングの際のWPMは少しずつでも良いので上げていきましょう。

一旦の目安はWPM180以上です。
(TOEICリスニングで200前後・ネイティブのスピードで230前後が目安です)

その他の補足


ちなみに、227以上のWPMが数値として出ているが、英文を理解できなかったのであれば、処理速度以外の部分にリスニングの課題がある(恐らく発音・単語)ということが言えます。

ただ、あくまでも今回のWPM数値に関しては「内容のレベル、使用されている単語の難易度、1文1文の長さ」等、色々な要素によって変動しますので(恐らく下がる)、あくまでも処理速度の数値的な考え方の参考に留めておいてくださいね。

(勿論、リスニングが出来ない理由は処理速度の要素だけでは語れないのですが、あくまでも1つの重要要素であるということです)

リスニング学習において処理速度以外に必要なことは?時になった方は下記記事をチェックしてみてください(^^)

https://note.com/money_english/n/n4686ef78367f

処理速度を上げる為のトレーニングとは?

さて、最後です。ではどうしたら良いの?ということですが、
めっちゃシンプルです。

「たくさん読む・たくさん聴く」

です。(笑)

つまり、「多読・多聴トレーニング」が処理速度UPに本質的なトレーニングになります。

リーディングのトレーニングは「精読(ゆっくり正確に読む)」もありますが、処理速度UP!的な意味合いで言うと、多読がお勧めです。

多読をする際の注意点としては、返り読みしない!ことです。

精読では、読解精度を上げることが目的ですので、多くのタイミングで返り読み(後ろから前に戻って読み返す)を行いますよね。

が、一方多読は、リスニングする際と同じように、
前から後ろに向かって英文を読み飛ばしていきます。

これが重要なわけです。

なので、MONEY ENGLISHの生徒さんには毎日音読を実施してもらっていますが、実はこの音読も処理速度UPにじわじわ効くトレーニングだったりします。

何故かと言えば、音読(声に出して英文を読む)をしている時は返り読みしないから!ですね。

音読って本当に色々なことを1つのトレーニングで鍛え上げることが出来る万能トレーニングだよなぁ。と常々思います。

音読の学習効果についてもっと知りたい方は下記記事をチェックしてみてください。

https://note.com/money_english/n/n7ced21b38508

まとめ

さて、処理速度を上げるトレーニングの話をしてきましたが、1つ大きな注意点を最後に。

処理速度に最も影響を与えるものは実は別にあります。

それは、、

「単語(語彙力)」です。

(というか、処理速度以外にも語彙力が英語力の8割くらい占めている気がしているのですが)

要するに、
知らない単語がたくさん出てくるような英文を読んだ場合は、一気に処理速度が下がるということです。

だから、多読や多聴トレーニングも勿論有効ですが、
あなたの処理速度を1番向上させる要素はやはり「語彙力」です

例えば、TOEICリーディングで時間内に読み終えられない人いますよね?

「速読力が無いからだ、、」

「問題にまだ慣れてないからだ、、」等と思われがちですが、

単純に語彙力不足の可能性が非常に高いです。

つまり、

読解・聴解の際、知らない単語が出てくるたびに、
面食らってしまうわけですね!
(あれ、あの単語なんだっけ・・?ってやつですね)

とか、考えている間に何度も同じ文章を読み返してしまったり、
リスニングでは音に置いていかれたりしてしまうわけです。

だから、やっぱりどのレベルでも基礎(単語・発音・文法)が大事です。

1に語彙力
2に語彙力
3に語彙力 
4に発音
5に文法・・

というイメージです。
(私が英語以外の別の言語を0から学んだ際も単語を鬼程覚えて、何とかなった経験もあります)

というわけで長くなりましたが、確実に中上級者向けの記事となってしまいました。

少しでも今後の学習に参考になれば嬉しいです。

英語学習において近年、トレーニングの種類も増えてきていますし、
色んな発信者が色んなトレーニングの有効性を語っていますが、
もはやありすぎてよく分からないですよね。

これが最新の科学的なトレーニングメソッドだ!!的な画期的なトレーニング方法を紹介しているサービスもありますが、

英語学習はとてもシンプルです。

基礎のベースをしっかり作った上で、
たくさん英語に触れて、たくさん使ってみる!

が最効率のルートです。

というわけで、今日から引き続き単語学習頑張りましょう!(笑)