なぜ日本人はRとLを混同するのか、その理由は音韻構造にあった!
2024年11月12日
発音は基礎の大事な1つですが、
今回はその中でも特に大事な音素、
「L」と「R」の音について掘り下げたいと思います!
英語の「R」と「L」は日本語には存在しない音です。
このため、日本語を母国語とする多くの人が、
英語の「R」と「L」を発音するのに苦労しています。
まず、この2つの音をきちんと区別して
発音できるようになるためには、
英語の「音韻構造」を理解することが大切です。
今回は
l 日本語と英語の発音の違い
l 「R」と「L」の発音方法
l 発音を正しい音で発音する必要性
これら3点を解説していきます。
▼こんな方にオススメ▼
l 「R」と「L」の発音がうまくいかない人
l 日本語と英語の発音の違いをしっかり理解したい人
l リスニングでRとLの見分け方を知りたい人
音韻構造を通して「R」と「L」の音を
細かくみていくのはもちろんですが、
発音練習方法も紹介していきます。
そして、この記事を読み終えた頃には、このようなことがわかるようになります。
l 日本語と英語の音韻構造の違い
l 「R」と「L」の正しい発音方法
l リスニング&スピーキングにおけるRとLの練習方法
1. 日本語にはない音!RとLの秘密 音韻構造とは?
音韻構造とは、
一言で言うと
「言語が音声的にどのように成り立っているかを表すものです。」
ここでは音韻構造を5つの要素から成り立っていることを
理解していただければ大丈夫です。
音素(phonemes)
音の最小単位で、言葉の意味を変えることができます。たとえば、「bat」と「pat」の違いは、/b/と/p/という音素の違いです。
音節(syllables)
音のまとまりで、通常1つ以上の母音を含みます。「cat」という単語には1つの音節があります。「elephant」といい単語には3つの音節があります。日本語だとほぼ全ての音に母音を含むので「エレファント」5つの音節があります。
アクセント(stress)
どの音節が強く発音されるかの違いです。たとえば「vanilla」アクセントの位置は「ni」にあり、vanillaとvaを強く読むと、聞きとってもらえなくなります。
イントネーション(intonation)
文全体の音の高低の変化です。例えば、英語の質問文はイントネーションが上がることが多いです。日本語は比較的モノトーンです。
音声変化(phonological processes)
発音が連続して変化する現象です。例えば、英語で「an apple・アン アッポウ」が速く発音されると「anapple・アナッポウ」のように聞こえます。
1. Ewen CJ, van der Hulst H. The Phonological Structure of Words: An Introduction. Cambridge University Press; 2000.
今回は音韻構造の1つ「音素」を中心に「R」と「L」の違いを見ていきます!
音節とアクセントについてはこちらの記事で詳しく解説していますのでぜひチェックしてみてください。
https://note.com/money_english/n/n08c07e56adf2
2. 日本語と英語の音韻構造の違い
日本語と英語の音韻構造には大きな違いがあります。
特に、日本語は音節の構造がシンプルであり、
すべての音が同じ長さで発音されます。
これに対して、英語は「強弱アクセント」があり、
音の長さや強さが単語ごとに異なります。
英語ではそれに加えて「R」と「L」の音素違いも
はっきり聞き取らなければなりません。
英語では、音素の違いが意味の違いに直結するため、
「R」と「L」を混同すると、
全く違う単語として理解されてしまう可能性があります。
例えば、「right(右)」と「light(光)」の違いです。
これらの単語は、発音の際に「R」か「L」を正確に区別することで、
意味が変わってしまいます。
3. 「R」と「L」の音はどこが違う?発音の方法
「R」の発音と「L」の発音において
一番の違いは舌の使い方にあります。
それは舌先が口の中で触れるか触れないかです。
この違いで「R」と「L」の音素の違いが出るわけです。
まず「L」の発音から見ていきましょう。
「L」の発音
「L」の発音
日本語のら・り・る・れ・ろ
とあまり変わらないです。
気持ち分、舌が前歯の後ろを触れている
滞在時間を長めにとるのがコツです。
例:「lead(導く)」, 「light(光)」, 「long(長い)」
「R」の発音
「R」の発音は舌をどこにもつけずに喉奥に引いて発音します。
舌の先端を上あごに近づけますが、
直接触れないことがポイントです。
発音する時に唇も少し丸くします。
日本人はこの舌の付け根を引く筋肉が薄いので、
違いを知るだけで、
発音できるようにはならないです。。
なのでたくさんの練習が必要です。
筋トレと同じように舌の筋肉と動きに慣れていきましょう。
例:「red(赤)」, 「read(読む)」, 「right(右)」
4. 聴こえ方の違いがリスニングやスピーキングに及ぼす影響
これらの音素の違いを知らずに区別せずにいると、
色々な単語の聞き間違いが必ず起きてきます。
どれも聞き間違えると
意味が大きく変わってしまう単語ばかりです。
例を挙げると、
オーダー(order / older)注文する・老いた
リード(read / lead)読む・率いる
ライト(right / light)右/正しい・照明/軽い
レイト(rate / late)割合・遅い
レッド(red / led)赤・leadの過去形・過去分詞形
ロング(wrong / long)間違った・長い
ライド(ride / lied)乗る・嘘つくの過去形
これらの音を区別せずに聞いていると
スピーキングにも影響が出てしまいます。
「R」の発音を全て「L」の発音で言う人は
「I need to read」
と言いたくても
「I need to lead」
と相手に聞こえてしまい、
誤解やコミュニケーションミスが起きてしまいます。
やはり、「R」と「L」の発音は
早いうちに対策を取ることをお勧めします。
5. 「R」と「L」への対策(発音添削・セルフトレーニング)
セルフトレーニング
優先的に取り組みたいのは、
単語リストを使った練習です。
目的は「R」と「L」を正しく発音できるようになることです。
正しい発音ができると、
・「R」と「L」の音の違いといが直に確認できる
・相手の聞き間違いを防ぐ
これらの利点があるからです。
「R」と「L」の若干の違いを認識できるようになると
ネイティブの発音を聞いて、真似る練習を始めると効果的です。
自身のレベルに合わせて単語から短文、短文から長文と量を増やしていくと
さらにリスニングと発音が鍛えられます。
第三者から発音添削を受ける
自分で発音をチェックしていくのも素晴らしい学習ですが、
第二言語として英語を習得したプロのコーチに頼る方法もあります。
添削・解説付きの音読トレーニングを利用できるので「R」と「L」だけではなく音韻構造の5つの要素を効率よく鍛えることができます。
音読トレーニングについても先ほど紹介したこちらの記事から確認できますので気になる方はぜひご覧ください。
https://note.com/money_english/n/n08c07e56adf2
6. まとめ
今回は、発音の「音韻構造の音素」を中心に、
「R」と「L」の発音について
掘り下げていきました。
今回の記事を通して、
l 日本語と英語の音韻構造の違い
l 「R」と「L」の正しい発音方法
l リスニング&スピーキングにおけるRとLの練習方法
これらのポイントを理解していただけたかなと思います。
特に「R」は他の音素と比べて習得するのに
時間を要しますので、
毎日コツコツ取り組むことをお勧めします!
では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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